先入観を覆せ!「レフト前2塁打!」

そんな中、うちの子どもが高校3年生の甲子園をかけた夏の大会で見せたプレーがこちら。ボテボテの内野ゴロを打ち内野安打を狙ったプレー。早く1塁に到達したいため、走りながら打つ。バッターボックスで、足が肩幅に開いているのではなく、両足が交差している姿は初めて見た。しかし、本人の意図とは異なりゴロの予定がフライとなった。本人は、「失敗した。。。」と思ったらしい。偶然にも、そして幸運にも、打球はレフトを守る外野手の前にポトリ。まるで、7番アイアンでピン側につけたゴルフボールのよう。走りながら打っていた分、そして、ふらふらとフライが上がった分、2塁に到達できた。かっ飛ばすだけが長打ではない。ちょっとスカッとした。。。

野球とは、ある意味先入観が支配しているスポーツなのかも知れない。ノーアウト1塁の場面では、守備はダブルプレーが取れる位置で守る。ノーストライク3ボールから打ちにくるバッターは少ない。(自信があり、監督や周囲仲間から信頼されてる強打者だけである。)ましてや敬遠のボール球を打つのは遥か昔、元巨人のクロマティ(1990年)、阪神時代の新庄剛志(1999年)以降聞かない。また、レフト前のヒットで躊躇なく2塁に滑り込む選手も楽天のオコエ瑠偉くらいか。。。多くのプレーが先入観に支配され、敵も味方も観客も、「きっとこうなる・・・」という予想の中で進行していくので、意外性が少ないスポーツなのではないかと思う。

ただし、「きっとこうなる・・・」の行く末をもっと細部にわたって予想できる人が経験者なのであろう。プロ野球の放送を見ていても解説者が語る予測に唸ることがある。「投手が今の球でファウルを打たせたので、次はこの球を投げ、ダブルプレーが狙いますね」などと解説し、その通りになると、脱帽してしまう。流れの中で勝負が決まっていく醍醐味だと思います。